認知症トピックス : もの忘れの対応について
アルツハイマー型認知症の特徴として最も多くみられるのは、もの忘れ(最近の記憶の欠落から始まります)、月日や時間などがあいまいになったり(見当識)する症状が見られます。新しいことは次から次へ忘れていきますので、最初はメモなども多くなりますが、メモしたことやそのメモをどこへやったのかを忘れてしまったり、カレンダーや時計を確認することが増えてきます。記憶や見当識が保てなくなりますので、家庭での生活に苦手なことが増えていき、サポートなしでは生活が成り立たなくなっていきます。
レビー小体型認知症の場合は、幻視の症状が出現することも多いですが、もの忘れ症状も出現します。そして良い時と悪い時の差が大きいという特徴があります(日により変動することも多いです)、
認知症の方は新しいものや環境の変化に敏感になっています。
生活については、大きな変化は本人も戸惑いますし、症状を進めてしまうこともあります。ある程度決まった生活パターンを作り、それに合わせた生活習慣で過ごすと安心されるでしょう。
身の周りにも本人の使い慣れた家電や愛用しているものなどは、そのまま使ってもらうに越したことはありません。
また、細々としたものをあちこちにしまうと、置き場所を忘れてしまい、症状が進むと、無い・盗られた・・などの感情と結びつき、行動・心理症状のもの盗られ妄想が出現することもあります。
出来るだけ自然に、1つの物入れや引き出しに鍵や財布など特に無くしやすいものを片付けるようにしてもらうことも良いでしょう。
ご本人の今まで生活してこられた歴史や人間関係、家庭状況によりアプローチの方法は様々ですが、ポイントは本人のメンツやプライドを大事にすることです。