睡眠と認知症
認知症の睡眠障害には、
夜寝る時間になかなか寝付けない入眠障害や、
夜中に何度も起きってしまう中途覚醒というものがあります。
認知症の方は環境が変わることで不安を感じやすく、
見当識の低下により、自分の居る場所が分からないなどの不安も感じてしまいます。
そうした不安が増えることで、睡眠の質の低下や、睡眠障害が生じます。
夜寝付けない、寝ていても夜中に目が覚めるなど、夜間帯の睡眠が確保できないことで、
昼間うとうとしてしまう、寝てしまう。そして日中の活動が出来ず体力が残ってしまい、
次の夜も眠れず活動してしまうといった昼夜逆転が起こることがあります。
また、睡眠不足になるとイライラ感や怒り易くなる、
歩行時のふらつきや転倒といったリスクも高くなります。
睡眠障害の予防として、
①昼間にお散歩に出かける
②日光を浴びる
③決まった時間に朝食を摂る
④日中に体を動かすことや
⑤朝の活動を意識して行う
デイサービスなどの活動の場に参加して
生活リズムを整えるのも良いかもしれません。
また、夜更かしはせず睡眠時間を確保することも大事です。
本人にとって安心できる、眠りやすい環境を作っていくことも必要です。
眠れないからと睡眠導入剤などの服用は、
夜中や朝に転倒などでの怪我や骨折のリスクも高いので、
かかりつけ医や専門医療機関に昼夜逆転で困っていることを、
ご本人の様子とともに具体的に相談していただくことが大切です。