前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症(ピック病)は、
脳の一部である前頭葉や側頭葉が委縮することにより起こります。
他の認知症ではみられにくい、特徴的な症状をあらわします。
前頭葉は脳の司令塔であり、「人格・社会性・言語」を司る部分、
側頭部は主に「記憶・聴覚・言語」を司る部分です。
前頭葉と側頭葉がダメージを受けることで、
発症初期から本人に病気だという意識はなく、感情が鈍くなったり、
軽犯罪を犯すなど行動の抑制が効かなくなることがみられます。
周囲の人は人格が変わってしまったと感じることもあるでしょう。
中期になると、何度も同じ行動を繰り返す「常同行動」がみられる場合があります。
例えば、同じメニューを作る、決まった時間に決まった行動をとるなどです。
滞続言語といい会話や質問の内容とは無関係に、何を聞いても同じ話を繰り前すこともあります。
現在、前頭側頭型認知症を根本的に治す治療は見つかっていません。
そのため、症状を緩和するための対症療法やケアが治療の中心となります。