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認知症トピックス : 中核症状 その1 記憶障害①

中核症状にも種類があります。そして出現の仕方にも個人差はあります。
一番多いタイプのアルツハイマー型認知症は、初期には記憶障害や見当識障害が目立つ傾向があります。
年齢が増すと、年相応のもの忘れかな~ということはよくあります。
しかし加齢と認知症では全く異なります。
ヒントがあれば思い出すのが加齢によるものであり、そのこと自体が記憶から抜けてしまっているものは認知症による記憶障害です。
記憶障害は特に脳の海馬という記憶を司る部分の萎縮が目立ち、昔のことは良く覚えていていも、最近のことが覚えられませんし記憶に残りずらいということになります。今話している内容(即時記憶)は理解し応対できても、内容が頭に記憶として入って行かないので時間の経過とともに忘れてしまいます。(短期記憶が抜けてしまうということです)

例えば、一泊で家族旅行したとしましょう。夜は美味しいお刺身などを食べて大いに楽しみました。そして帰宅して1日が経過したとします。
「旅行楽しかったね、夕食もおいしかったね」に、「ああそうだね、夕食も美味しかったけど煮魚と何食べたのだったかなぁー」と言うのでにヒントを出すと「刺身の船盛りが美味しかったね」と答えられることは加齢によるもの忘れです。しかし、認知症によるもの忘れは旅行自体の記憶が抜けてしまっているので、旅行に行っていない、そんなもの食べてない、ということになります。
そういう特徴があると知っていれば、その後の対応にも余裕が持てるでしょう。