認知症トピックス : 行動・心理症状(BPSD) ~その6 異食など~
「異食」とは、食べ物かどうか判断できず、食べ物以外の物を口に入れてしまうといった症状です。
認知症の症状が進んできますと、食べられる物か判断できなくなることもありますので、家族や周りの方は注意しておくことも必要です。
特に気をつけなくてはいけないことは、誰も見ていない場所でこの症状が活発になる場合です。タバコ、洗剤、調味料類、プラスチック、おもちゃ、薬類(パッケージごと・・これは多いようです)、貴金属などは特に注意が必要です。
家の中で危険と思われるものすべてなくすのは困難です。したがって家庭環境にもよりますが、夜中に冷蔵庫や戸棚を開かない工夫、口に入りそうな小物は自然に本人の視線から遠ざけるなどしましょう。
また、すでに食してしまったときの対処など、かかりつけ医などに相談しておくとよいでしょう。物によっては吐かせてはならない物、水分を多く摂るものや摂ってはいけないものなどあります。
その他、特に前頭側頭型認知症で出現する症状として「盗食」が挙げられます。
これは決まりごとやルール、善悪の判断をコントロールする脳の部分が壊れてしまっているので、ご本人は気にしません。
他人の物は盗ってはいけないという感情を抑えることは難しいです。したがって、家の中でも外出先でも、食卓やテーブルに出されている人の食事を周りを気にせず食してしまったりします。
今まで紹介してきた様々な行動・心理症状の中でも、対処が難しい症状です。
専門医療機関に相談しながら「ケアの方法」を考えていくことをお勧めいたします。
いろいろ紹介してきましたが、行動・心理症状(BPSD)は認知症の方全てに出現するわけではありません。何かしらのきっかけで出現することが多いですので、本人の状態や介護方法を見直すことで解決できることもあります。
いずれにせよ、行動・心理症状(BPSD)は積極的な治療をしなくてはならないケースもありますので、早期に専門医療機関に相談しましょう。
当センターでも相談を受けております。