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認知症トピックス : 行動・心理症状(BPSD) ~その5 昼夜逆転~

日常生活での基本的な活動(起床・日常活動・睡眠など)は特に気にせず経過しているものですが、実は誰もが持っている体内時計によりリズムを刻んでいます。
体内時計は目で見えるものではありませんが、その方の生活様式が積み重なり出来上がってきたものとも言えます。体内時計の働きで、朝は目が覚め夜は眠くなりますが、認知症が進んできますと、そのリズムに歪が生じることがあります。
昼寝の時間が増えたり、夜間に眠れず不安になって興奮したり大声を出したり、夜中ですが何かしらの活動を始めることもあります。この状態が続くと、ご本人も体調を崩し認知症状を進めることにもなりますし、夜中に何度も起こされてしまうなどの状態になった場合、家族の日常生活にも支障が及んできます。

日中、お日様の光を浴びて散歩したり身体を動かしたりするなど、ご本人に負担にならない活動を増やしたり、趣味活動など出来る範囲で勧めたりすることにより解消することもあるようです。また、様々な工夫はありますが、意図的に就寝時間を遅らせてみたり、昼間にデイサービスなどの社会資源を有効利用することにより、症状が治まってきたということもあります。ご家族の環境により方法は異なりますが、何かしらの解決策はあるでしょう。

眠れないからと睡眠導入剤などの服用は、夜中や朝に転倒などでの怪我や骨折のリスクも高いので、かかりつけ医や専門医療機関に昼夜逆転で困っていることを、ご本人の様子とともに具体的に相談していただくことが大切です。