せん妄は意識障害の一種で、認知症によく似た症状がみられます。
原因は様々ですが、処方薬によるもの、入院などによる環境変化など心理身体的なストレスによって起こることも多いと報告されています。
認知症と似た症状が急に出てきたと慌てるご家族も多くいらっしゃいますが、認知症は発症時期が正確にわからないことも多いですが、せん妄は発症した時期もはっきりしており、症状変動が大きい、数時間～数日症状が持続するなどの特徴があります。
せん妄は、急激に発症する場合が多く幻覚や興奮・不安などの症状を伴うことが多いです。
普段のご本人の身体状況は日ごろから観察しておくと良いでしょう。
ぼんやりしていたり、注意力の低下、短気記憶の欠落、見当識も不明となり、「認知症と似た症状」と思われるかもしれませんが、せん妄は認知症ではありませんので、自宅でしたら落ち着いてよく観察して(時系列で構いませんので発症してからの状況)を主治医に相談しましょう。
せん妄なら一時的なものであり、回復は可能とされています。

もちろん、認知症疾患医療センターでも相談や必要に応じて受診などもお受けいたします。