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認知症トピックス : 行動・心理症状(BPSD) ~その4 徘徊~

徘徊は、現在社会問題としても取り上げられております。
本人は、何らかの記憶やきっかけにより「(結婚前の)実家に行く。」「(以前の)仕事に行く。」「友達と会う約束をした」などの意図を持って外出します。
意図はあっても目的地を認識することはできませんので、症状の進み具合で、自力では帰って来ることはできません。判断力も低下していますので、迷子になってしまってもどうしたらよいかがわかりません。

外出したい気持ちは本人なりの強い気持ちでもあり説得することは難しいでしょう。
家庭で介護なさっている場合は、一緒に出掛けて一回りして戻るとうまく消えることもあるようです。
家ではドアや玄関に鈴をつけたり、日頃から近所や商店の方などにあらかじめ1人で歩いていたら連絡くれるよう依頼しておくと安心です。
最近では地域の見守りネットワークなどがある場合は登録されても良いでしょう。また、多くの市町村によってはGPSの貸し出しを行い始めています。
小さい名札を本人のプライドに気を配りながら靴に目立たぬようつけたり、周りが何気に気付く工夫などが有効でしょう。
近隣の交番にも声をかけておくことも大切です。探しても姿が見えない場合は、すぐに交番へも連絡しましょう。
外出されると困ると部屋に鍵をかけてしまうようなことは決して無いようにしてください。症状も進みますし、何より家庭環境が崩れることもあります。

徘徊の原因は様々ですが、「本人が日々過ごしやすい空間が今いる場所」であると、認識してくれるような工夫が大切です。
中核症状への対応などでの不満(ケースによります、家族の対応はうまくいっていても症状により出現してしまう場合があります。したがってここは本人の立場からの不満)により本人なりの疎外感や孤独感を感じての徘徊の出現も多いようです。
日常生活で苦手なことが増えてきますが、日課や役割を作ることや家庭での出来る範囲内での用事をお任せするなど(もちろん、さりげなく見守ってください)何らかの工夫が功を奏す場合もあります。
尊厳を大切にすることにより良い方向へつながって行くのではないでしょうか。