認知症トピックス : 失行・失認・失語
中核症状には、「失行・失認・失語」という症状もあります。
これは認知症の種類や、個人差もあるため、必ず現れるわけではありません。
・失行
身体に麻痺などはないが、日常の動作が苦手になる症状です。
日常生活で繰り返し行ってきた動作が苦手になります。
例えば、洋服を着ることは理解できているが、どの順番に着るのか分からなくなる、
上下逆に着てしまう、ズボンの上に下着を履いてしまう、などです。
また、使い慣れている道具の扱いがぎこちなくなることなど、
いくつかの動作からなる行為ができなくなることもあります。
・失認
目や耳や鼻などに異常はないが、物体の位置や物体自体の認知ができなくなる症状です。
例えば、机の上にあるペンが分からず、形や大きさも認識できなくなるなどです。
また、よく散歩している公園が分からなくなることや、
方向や道順も同様に分からなくなることもあります。
・失語
聞く・話す・読む・書くといった機能が低下し起こる症状です。
話を聞く、話を理解する、それに基づいた返答を伝えるということが困難になります。
例えば、言葉が思い出せなくなること、
「あれ」「これ」「それ」などの代名詞ばかりの会話になることもあります。
言葉は認知できていても、
言語理解ができなくなると「おうむ返し」をすることも増えてきます。
このような症状がみられるようになると家族は驚くと思いますが、
その時に一番困っているのはご本人です。
さりげないフォローができることで、
本人の日常生活を維持させながら、本人の尊厳も守ることができます。