認知症トピックス : 「具体的な言葉」を心がけましょう
認知症にはいくつかの種類があり、その症状の出現の仕方は異なります。
一番多いタイプのアルツハイマー型認知症の場合、症状の進行により記憶があいまいになったり記憶そのものが抜けてしまったり、会話のつじつまが合わなくなったり言葉の意味が分からなくなることが多くなります。
そのため言葉かけにおいては、あいまいな表現は避け、具体的に話したほうが良いでしょう。ご本人が意味を理解できないと「何を言ってるの、何をすればよいの、意味が分からない」というストレスがたまり、些細なことがトラブルの元にもなりかねません。ほんの小さなことでも、ご本人にとっては大きな意味を持つこともあるかもしれません。話しかけられる言葉の意味が分かりやすいと理解できることも多いようです。
生活されている環境にも差はあると思いますが、ご本人にとって毎日が不安いっぱいの生活なのだということを前提として考えましょう。
例えば「買い物に行こう」を「夕飯のシチューを作るので鶏肉と玉ねぎと人参を買いに行こう」、「病院に行こう」を「お医者さんに熱と頭痛の具合を診てもらおう」、「動物園に出かけよう」を「動物園に象やパンダやキリンを見に行こう」など一言添えて具体的に言い換えてみましょう。
そして認知症の進行により、次第に理解や判断力が低下し、身体の不調(不具合や痛みなど)も表現したり訴えたりすることが難しくなったり、全般的に意思疎通がうまくとりにくくなることも理解しておきましょう。
ご本人の性格や今まで生活されてきた軌跡、身体の具合、そして何よりも認知症を正しく理解しておけば、余裕をもって対応できることも多いでしょう。
何か困ったことが起きたり予測された場合、医療や介護の専門職に相談したりアドバイスをもらうことは大切です。当センターは、上記のような認知症の対応についての問い合わせなども多く受けております。
各市町村や地域包括支援センターとも連携をとっておりますので、必要に応じ関係機関にお繋ぎすることも可能です。