非薬物療法について(回想法)
前回、非薬物療法の一つである「音楽療法」についてご紹介しました。
今回は、心理療法の一つの「回想法」についてご紹介しようと思います。
「回想法」とは、グループのメンバーに対して自分の過去を話すことを行います。
自分の過去を話すにあたって、
過去の自分の写真や思い出のものなど見直すことになります。
そうすることで、過去の自分を鮮明に思い出すきっかけとなるため
自分自身について見つめ直す機会ができます。
認知症の方は、最近の記憶を保つことは困難ですが、昔の記憶は保たれていることが多いです。
過去のことを思い出して言葉にしてみたり、相手の話を聞いてみたりすることで、
脳が活性化し、活動性・自発性・集中力が向上し、認知症の進行の予防になると考えられています。
過去を思い出すことによって自分の存在意義を再確認でき、
自分に対する自信も少しずつ戻ってきます。
人それぞれ過ごしてきた時間は異なり、楽しかったこと、辛かったこと、
家族や友人とのエピソードなど振り返ることで、今の自分を認め、自分自身を受け入れやすくなります。
一例をご紹介しましたが、
そういった非薬物療法を包括的に取り入れ、当院では認知症の方の治療を行っております。