認知症トピックス : 入院①
認知症の方の入院治療についてです。
認知症の治療の場合、精神科への入院となることが大半です。
認知症の症状は中核症状と行動・心理症状(BPSD)に分けられます。
以前も述べたように中核症状は一度進んでしまうと回復は困難であり、
一方でBPSDは薬物療法や作業療法などによって症状を落ち着かせることができます。
そのため認知症の方の入院では
BPSDの改善、中核症状の進行予防が目的とされることが多くなります。
自宅や施設、または一般病院に入院中など、認知症の方が過ごす環境は様々です。
大声や徘徊、怒りっぽさ、暴言・暴力、幻視・幻聴、妄想などのBPSDが強くなると、
そうした場での生活が困難になります。
BPSDの進行によって、
自身や周りの人の身体的・精神的な危険が考えられるケース、
自身や介護者の休息が必要と思われるケース、
施設では対応が困難となってしまったケース、
一般病院で他の患者の治療の妨げになってしまうケース、
治療を行える状態ではなくなってしまうケースなど、
こうしたケースでは入院治療を勧められる場合が多いでしょう。
一般的な入院と、精神科への入院は異なる点が多くあります。
入院形態が分かれている点、入院期間の目安がある点、入院時の制限がある点などです。
このような点は入院時に必ず病院職員より説明がありますので、
注意点としてきちんと覚えておきましょう。