認知症トピックス : 中核症状の失行
失行は認知症の中核症状の一つです。
失行とは、身体的には麻痺などはみられないが、日常の動作ができなくなる症状です。
症状の出現には個人差があり、失行の症状が出現することもあります。
失行には以下のような種類があります。
・構成失行 … 図形の模写などができなくなる。
・着衣失行 … 衣服の着脱ができなくなる。
上下逆に着てしまう。ボタンが外せない。
・肢節運動失行 … 動作がぎこちなくなる。
・観念失行 … 慣れているものが使えない。
何に使うものか分かっているのに、実際には使えなくなる。
・観念運動失行 … 言われたり、見たりした動作をその通りに真似できない。
歯磨きができなくなる、洋服が着られなくなるなど、
日常生活の中で必要な動作が自分ではできなくなってしまいます。
認知症の中核症状のため、
できなくなった動作を、再度できるようにしていくことは困難です。
そのため、
・ボタンが外せないならマジックテープに変えてみる
・手を添えて一緒にやってみる
というように、失行症状と上手く付き合っていくことが大事になります。
他の症状と同じように、
「全部やってあげる」ではなく、できる範囲を探してみましょう。