認知症トピックス : 家庭での工夫
認知症の方は医療と介護とつながりを持ちながら生活されていることでしょう。
在宅生活では症状が進むにつれて苦手なことや出来なくなってしまうことも少しずつ出てきますが、大きな変化なく慣れた環境でご本人が穏やかに過ごせる空間について見なおしてみましょう。
同時に共に生活をされる家族の方には認知症についての正しい知識を持っていただくことは必要です。同じ目線で状況を共有しましょう。
軽度認知障害から認知症のごく初期の段階では、ご自身で身体の症状を自覚されていることも多く、特に環境の変化にも敏感になっていることも多いので、出来ることから見直すとよいでしょう。
日常生活では「工夫」が大切です。トイレやお風呂の道順に目印や矢印をつけたり、入浴後に着る服を順番通りに用意したり、福祉用具の手すりを生活導線に合わせて配置したり、スイッチ類に目印をつけたり、使い慣れている物をそばに置くなどが、ご本人の落ち着いた生活につながっていきます。
この「工夫」は症状が進行していく本人のプライドや尊厳を護ることにもなります。
社会資源(医療や介護)を活用しながら、専門職(地域包括支援センターや担当ケアマネ、専門医療機関等)のアドバイスも参考に、出来るだけ症状の進行を遅らせ、穏やかに過ごせる環境を順次工夫していくことが良いでしょう。