認知症トピックス : 行方がわからなくなった認知症高齢者について
警察庁によりますと、行方不明者の届出数は、過去10年間では概ね横ばいで推移してきましたが、2018年度は87,962人で前年に比べ3,112人増加となりました。
うち認知症に関係する行方不明者の届出数は、統計をとり始めた2012年以降増加しており、2018年は16,927人と前年に比べ1,064人増加となったそうです。(2019年6月20日 警察庁発表)
男女別では、男性の割合が高く、年齢層別では若年や壮年層にも変化はありますが、70歳以上も増加傾向にあります。
原因については認知症を含む疾病関係が多く、2012年以降年々少しずつ増加しています。
都道府県別の届出数は、大阪府が2117人と全国で最多となりますが、埼玉県も1782人になり東京都も1246人となっております。
行方が分からないことに気付いた場合、大切なことは「一刻も早く安全に保護」することです。
2018年度は受理当日に全体の47.0%の所在がわかり、1週間以内には79.8%の所在が確認されているそうです。判断力の低下や体力の低下を伴う認知症の高齢者の場合、行方不明になってしまうと命の危険に直結することも多いです。
大きな事故や事件に巻き込まれることはないようにしていきたいものです。
残念ながら2018年に死亡が確認されたのは508人で、2016年の471人、2017年の470人と比較しても増えております。主な死因は交通事故、低体温症などによる衰弱死や、溺死などとなります。
また、行方不明になり届出があった人のうち、197人は所在が確認できていないそうです。
徘徊による行方不明は命の危険を伴いますので、個人や家庭だけではなく町会や地域、行政でも今できることを行わなくてはならない時代になっております。