認知症トピックス : 気づきは大切です ~その2~
気づきについて、もう少し詳細に触れさせていただきます。
認知症による中核症状は、記憶障害(特に最近の記憶があいまいになることから始まります)、見当識障害(日時や季節、今いる場所などがわからなくなってきます)、個人差はありますが遂行機能の低下(ものごとの段取りが苦手になったり、料理などの手順がわからなくなることもあります)、そして判断する力も落ちてくるので決めなくてはならないことも何をどうしたらよいかわからなくなります。
特に一番多いタイプのアルツハイマー型認知症は加齢が原因で発症することは知られています。
その多くが前段階の軽度認知障害(MCI)の時期があります。 軽度認知障害MCIの段階では、まさか認知症とは考えない場合が多いでしょう。もの忘れをしても年齢相応かなど、加齢のせいにして過ごしてしまうことが多いことがほとんどです。
MCIは進行していくケースが多いので早期の手立てが重要となります。
中核症状は次第に重複して出現してきますので、目に見える症状が出てきて初めて「認知症」・・・と気づきます。
加齢によるもの忘れと、MCIによるもの忘れは異なります。ヒントを出せば思い出せるのは加齢であり、出来事自体が頭から抜けてしまうのが認知症です。
したがって、軽度認知障害(MCI)によるもの忘れなどの症状を見逃さないことが大切なのです。
軽度認知障害(MCI)の段階で早期に有効な対処(発見・受診・治療)ができれば、進行を遅らせるケースも多いのです。