認知症トピックス : 客観的に観察しましょう
認知症には中核症状と行動・心理症状(BPSD)があり、認知症のタイプ(アルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型、前頭側頭型など)によっても出現の仕方が異なるということは、以前も紹介いたしました。
在宅で生活する場合、行動・心理症状(BPSD)が活発になってしまうと日常生活の継続が難しくなります。
中核症状は介護で対応できることが多いのですが、行動・心理症状(BPSD)が出現してきた場合は、よく観察することが、まず一番大切です。困った症状のみに捉われることのないように、とにかく落ち着いて対処してみましょう。
体調不良が原因のこともありますので、熱はないか、お腹の具合はどうか、歯痛(虫歯)が痛むのではないかなど、体調チェックは必要です。
「認知症の方は脳の機能が低下していますので、物事の理解がしにくくなっており、私たちが考える以上に不安も大きいのです。」
このことは理解しておいてください。
それぞれの家庭により、事情は違うとは思いますが、例えば、もの盗られ妄想が出現した場合、「盗られた、盗ってない」といったやりとりで、否定されたという感情が高まり、その感情を抑えられないスイッチが入ることが多いようです。
言葉に反応しているようなら、その言葉の良し悪しは別として謝りながら話題を変えたり、第3者が中に入ったり気分転換してもらうことにより、症状が落ち着くこともあります。
しかし、前頭側頭型認知症は、予期せぬ暴力が全く突然に出現する場合がありますので、対応や介護の仕方については早目に専門医に相談することが必要でしょう。
在宅で共に生活している場合、ご本人の「自尊心」を傷つけてしまう言動には注意し、同時に「不安や怖い」と思う感情を起こさせるものは、なくしていく工夫をしてみましょう。特に環境の変化や新しいものには敏感になっています。