認知症トピックス : 加齢と老化
よく五感とも言われますが、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚は生活するうえでごく自然に使っている物です。
私たちは、それらの機能を使い脳で考え、外から入ってきた情報を頭の中の引きだしにしまい、必要に応じて情報を取り出し、状況を判断しながら言語・行動や表情などで表現しながら生活しています。
この機能は加齢とともに少しずつ衰退(老化)していきます。すると引き出しに不具合が出てきて、記憶や言語能力、理解や判断力などが低下して日常生活に様々な影響を及ぼします。
加齢による老化には個人差があります。(加齢による老化は認知症ではありません) 既往症や治療中の疾患、ストレス、体調などの要因に加え、長年積み重ねてこられた教育や職業、趣味や人間関係など「外的」なものが複雑に絡み合うことにもよります。
一般的に新しい環境や人間関係などにより発生する事柄を解決していく能力は、加齢によりその機能は低下することは知られています。そして頭の中の引き出しからの情報の出し入れもスムーズではなくなり、物事を処理するスピードも加齢とともに遅くなっていくため、特に瞬時の反応や判断は苦手になっていきます
しかし、外的なものは加齢が進んでも比較的保たれます。高齢になっても教育や趣味、仕事で活躍されている方も多くいらっしゃいます。
老化は自然の摂理であり止められませんが、何事も大らかに考える「こころ」、人間関係を維持し楽しく生きる気持ち、趣味を続ける、彩り豊かな物を食す、身体を動かすなどの心がけも大切ではないでしょうか。