認知症トピックス : 中核症状と行動・心理症状(BPSD)
「脳の細胞が壊れる」ことで直接おこる症状を「中核症状」といい、認知症の方であれば誰もが内容に個人差はありますが、必ず現れる症状です。
記憶障害、見当識障害、実行機能の低下、理解・判断力の低下などが挙げられます。1つの症状から次第に複合的に低下していくことが多いです。中核症状は徐々に進行します。
「行動・心理症状」(BPSD)は、本人が持ち合わせている性格や環境が大きく作用し、それが理由で症状が出現します。重複する方もおられます。人によって症状が異なるので、全く同じ症状の方は居ないと言っても過言ではありません。行動・心理症状とは暴言暴力、介護拒否、徘徊、妄想などが挙げられます。
予防・改善可能なものもありますが、活発な症状が出現している場合、まずは症状を抑えてあげることを考えましょう。ご家族や介護者も大変な想いをされているでしょうが、本人を護りましょう。症状の理由を理解し、対応をとることで本人が穏やかに生活する事が可能となります。
なぜ、症状を2つに分けるかにつきましては、中核症状は基本的に「介護」で対応できるものが中心ですが、行動・心理症状は積極的な「治療」を必要とする場合が多いのです。
例えば、もの忘れについて考えてみますと、物を置き忘れたり探し物が増えてご本人や周りも困っている症状は中核症状です。しかし、物がないのは〇〇が盗ったなどと思い込んでの暴言暴力状態が続き、不眠不休状態で家族も疲弊して日常生活に支障が出てくる場合があります。
この症状(暴言や暴力など)が行動・心理症状で、認知症の積極的な治療が必要となる場合が多く、治療は症状を抑え介護できるところまで落ち着かせます。