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認知症トピックス : 「せん妄」について

「せん妄」は、認知症と似た症状が出現するので間違われることもありますが、全く異なったものです。「せん妄」は、意識がぼんやりとした意識障害の状態で、「幻覚や妄想、錯覚、不安症状、興奮状態」などが特徴です。
そして、「せん妄」は発症時期がある程度特定できるのに対して、認知症は発症時期が分かりません。「せん妄」は症状が1日のうちでも変化があり、意識がはっきりする以外は症状が変わります。
認知症の場合は症状が一定で、時が進むにつれ症状も進行していきます。
「せん妄」は改善しますが、認知症はそうではありません。

せん妄との原因は意識障害を起こす疾患・薬物(常備薬、服用薬も原因にもなりますし、アルコールによるものも含まれます)であったり、急な環境の変化(入院など心理身体的なストレス)も考えられます

せん妄の治療は原因の発見と除去です。
ご家庭で遭遇された場合、「せん妄」を疑ったら医療機関を受診することも必要ですので、慌てずにまずは本人の様子をよく確認しましょう。日頃飲んでいる薬を必ずチェックをしましょう。そして、医療機関(かかりつけ医や専門医)には日頃の様子や環境の変化、お薬の服薬状況、身体疾患についてなど、正確に伝えられるようにしましょう。
原因の除去により多くの せん妄は治りますが、治療が遅れたり、手間取ると脳に障害を残してしまう場合もありますので、認知症と同様に早期発見、早期治療が重要です。