認知症トピックス : 慢性硬膜下血腫
慢性硬膜下血腫は、頭蓋骨内の硬膜の内側で起きた出血が固まり、
それが血腫となったものです。
若い人でも起こりますが、高齢者に多くみられます。
頭部外傷(転んだ、ぶつけたなど)が原因のことが多いですが、
外傷がみられない場合もあるため、発見が遅くなってしまうこともあります。
高齢者の場合は頭を打ったこと自体を忘れてしまうことがあるため、
周りの人が気づかなかったケースも多く見られます。
血腫が脳を圧迫することで、
もの忘れ、実行機能障害、歩行異常、尿失禁など
認知症と同じような症状が出現することがあります。
そのため認知症の検査に来て、MRIを施行したところ、
硬膜下血腫が原因であったと判明することもあります。
血腫が脳を圧迫することで症状が出現しているため、
血腫を外科手術にて早期に処置すれば改善が見込めます。
急に上記のような認知症状がみられるようになった、
怒りっぽくなった、ボーっとしていることが多くなった、の頭痛を訴える場合などは、
かかりつけ医や脳神経外科の受診も考えてみることが大切です。